「今年も開花しそうにないのかな?」
Ihara SokoはHarumaに問いました。
「どうでしょうね……原因さえ分かればいいのですが……」
彼らの見つめる先には、一本の大きな幹。
「私が肥料をやり、水をやっても、毎年咲きませんからね……私は嫌われているんでしょう……」
Harumaは少々落ち込んでいるご様子。
「ふむ……他の者に聞いても分からない?」
「分かっていれば、毎年咲いているはずですよ!」
「そ……そう怒らずに……たしかにそうですが……」
「一流の盆栽師に聞いても、この桜の木だけは分からん!って言われましたよよよ……」
「そうか……でもやはり、専門家でなければ、解決しそうにないですね……」
2人とも考え込むばかりでしたが、先に口を開いたのはIhara Sokoでした。
「私は貿易大臣ゆえ、他国とコンタクトがとれる。一度他国ではどのように育てているか聞いてみましょうか。年中咲き続ける桜もある事ですし」
「そうですね。いつも助けてもらってばかりですが、今回もお世話になってみましょう……」
「うむ……」
Ihara Sokoは親書を用意すると、ガードと共に異国の地へ向かいました。
「遠いところからはるばるようこそ。」
ブラックソーン王は彼らを王室へ招き入れました。
「初めてお目にかかります王様。徳之諸島の帝国にて貿易大臣を務めているIhara Sokoと申します。以後お見知りおきを。」
「よろしい。早速要件を聞こうではないか」
「はっ。実は…………」
「……私にできる事は少ないが、この国には勇敢な冒険者・街を統括する首長、そして市民がいる。彼らが協力してくれるかもしれん。
以前そなたの国を守る為に勇敢に戦った者達に、もう一度助けを求めるのも一つの手かとは思うが。いかがかね?」
「そう……ですね。しかし傍から見れば些細な事案。これに協力してくれる人は……」
「この国には良くも悪くもいろんな者がおる。しかし協力してくれる冒険者、市民は多いと思うぞ。一度願ってみてはどうかね。」
「わかりました……! 異国の事案ではありますが、協力者を募ってみます」
「うむ」